【MTG】【スタンダードデッキ紹介】 4Cランプコントロール 【ラヴニカの献身】


お久しぶりです、迫真M:tG部のヨグルティです。


……そろそろこの挨拶も冷えてきましたね。




WS248321




新ブースターパック『ラヴニカの献身』の情報公開もいよいよ佳境を迎え、巷では新しいスタンダードに何を選ぶか、様々なやりとりが聞こえてきます。

もちろん私もご多分に漏れず、ああでもないこうでもないと頭を悩ませておりましたが、ようやく一本の方向性を見いだせたので、この場を借りてここに紹介したいと思います。




【4Cランプコントロール】



クリーチャー14


4 ラノワールの斥候
4 エリマキ神秘家
4 ハイドロイド混成体
1 原初の潮流、ネザール
1 原初の災厄、ザカマ



呪文 20


4 成長のらせん
4 荒野の再生
3 中略
2 吸収
1 残骸の漂着
2 浄化の輝き
4 薬術師の眼識



土地 26


4 繁殖池
4 神聖なる泉
4 寺院の庭
1 踏み鳴らされる地
1 蒸気孔
3 内陸の湾港
3 氷河の城塞
3 陽花弁の木立ち
1 根縛りの岩山
1 硫黄の滝
1 断崖の避難所



サイドボード 15


1 残骸の漂着
1 絶滅の星
2 イクサランの束縛
3 否認
2 軽蔑的な一撃
1 本質の散乱
3 秋の騎士
2 生体性軟泥



クリーチャー14枚、基本土地なし。


コントロールとしてはかなり振り切った構築ですが、もちろんそれには相応の理由があります。





○ゲームプラン



ランプと言っても、それらしい動きをするカードは《成長のらせん》と《ラノワールの斥候》の2種のみ。
これらを序盤にプレイしてマナベースに余裕を作り、《荒野の再生》を設置できたら、そこから先はこちらの土俵です。

自分のメインフェイズに《ハイドロイド混成体》や《薬術師の眼識》をプレイしてひたすらカードを引き込み、相手

ターンにはアンタップした土地と補充した手札で妨害を試みます。
混成体や《エリマキ神秘家》はアドバンテージを得つつクロックとしても残るため、相手に自由な動きのできるターンを与えません。


最終的に、ビートダウンやコンボには《原初の災厄、ザカマ》、コントロールには《原初の潮流、ネザール》を着地

させて、展開にフタをしてしまいましょう。
勝ち手段はクリーチャーによる戦闘ダメージなので、中盤から終盤にかけては自分が安心して攻撃できる環境づくりを目指していきます。





○注目すべきカード解説




IMG_3428


《荒野の再生》


公開当初から話題沸騰の1枚。特に《運命のきずな》との相性の良さが盛り上がっている一番の要因でしょうか。


IMG_3429


自分のターンに呪文を唱えても相手ターン前にはマナが補充できるため、ドロー呪文やフィニッシャーを唱えてさらにインスタントも構えたい、という欲張りな願望に応えてくれます。

「土地を起こすマナ加速」という性質上、他の置物のような設置のために1ターン隙をさらす弱点がなく、また誘発効果によるアンタップなので複数重ね引いてもその分追加で加速してくれる、といいことずくめ。





IMG_3432


《成長のらせん》


インスタントの《探検》だなんて、これほどコントロールの希望に満ちたカードがあるでしょうか?


IMG_3448


ランパンと違って探検はドロー+マナ加速の呪文であり、カードを引きながら自分の土俵への道のりを1ターン短縮できる優れモノ。
デッキの性質上、もともと土地は多めに入っているので、これを唱えて土地を置きそびれるということはめったに起きません。


しかも今回はそれがインスタント。
つまり、2ターン目に《中略》X=1で相手を妨害するか、これで一歩相手に先んじるか、好きな方を選ぶことができるのです。


IMG_3447


環境の2マナ域には《アダントの先兵》というコントロールが絶対に許してはいけないクリーチャーがおり、これをにらみながら他の強力な選択肢も持てるというのは本当に素晴らしいことです。


IMG_3446







IMG_3433


《ハイドロイド混成体》


ドローと回復が保証されており、唱えるコストも自由という、単体で見てもそこそこ強いカード。

もちろん、このデッキでは《荒野の再生》が最良の相方となります。遠慮なくすべてのマナを突っ込んで唱えることができ、引いたカードも即構えられるわけですから。

ショックランド満載のこのデッキではライフ管理がタイトになりやすく、わずかながら回復がついてくるのもありが

たい限り。
中盤に雑に投げ込む「つなぎ」として、また時には巨大な決定打として、縦横無尽に役立ってくれるでしょう。





IMG_3434


《原初の災厄、ザカマ》


デッキの中でもひときわ重く、ひときわ異色なクリーチャー。
「ランプコントロール」ならではの登用です。


環境のどのクリーチャーよりも大きいサイズ、警戒・到達・トランプルという隙のない能力構成、そして火力・置物破壊・回復の3モード。

戦場を好き放題に荒らし、ライフが詰められていても平気でなかったことにしてしまうので、殴って勝つデッキやコンボを狙うデッキなどはこれ一枚で泣きを見ることになります。
このデッキでは対処がやや厳しい《パルン、ニヴ=ミゼット》《変遷の龍、クロミウム》に強いのもポイント。


IMG_3444

IMG_3445

今まではそのあまりにも重いコストと除去耐性のなさがネックとなっており、現状それらの点が大きく変わったわけでもありません。
しかし今回は自分メインフェイズの自由度が大幅に上がったことと、溢れるマナを大量に突っ込む先としてもっともリターンが大きいこととを踏まえ、通らばリーチの必殺カードとして1枚採用することにしました。





IMG_3431


《エリマキ神秘家》


確定カウンターは3マナが通例の現スタンダードにおいて、それに1マナを加えるだけで3/2のクリーチャーがついてくるというのはどう考えてもオーバースペック。
《神秘の蛇》が強かったのですから、これの性能はお察しといったところでしょう。


IMG_3443


ショックランドとM10ランドが勢ぞろいしているおかげで色拘束にも問題はなく(このデッキのマナベースは理論上4マナ時点で緑2・青2・白2を同時に用意できます)、カウンターとして機能しながらビートダウンには相討ち込みで1対2交換を、コントロールにはプレインズウォーカーに圧をかけるクロックを、と様々なシーンでの活躍が期待できます。





IMG_3430


《吸収》


インベイジョンから長い年月を越えての再録に、驚いた方も多いはず。


IMG_3442


『ラヴニカの献身』には回復要素を持ちながら実戦級な青がらみのカードが本当に多く、ショックランドの恩恵をもっとも強く受けているのはおそらくこの色なのではないでしょうか。

あまり細かく分析するところのないシンプルな性能で、赤単や白単のようなリソースを全部吐き出して戦うデッキにとっては、この3点が遠のくだけで焦りが生まれてきます。
序盤のクリーチャー1体くらいであれば、見逃してしまっても回復で時間を稼ぎ切れることはままあるので、2ターン目にらせんをプレイするか中略を撃つかの判断は慎重に。




IMG_3435

《ラノワールの斥候》


なんだこれ? と思った方も多いと思います。
タップすると手札から土地を出す、擬似的なランパンクリーチャー。


「自分ターンは好きに動く」「その上で相手ターンも構える」という欲張ったコンセプトを実現するために、このデッキではドロー呪文を多く取っています。

そこで引いた土地をかたっぱしから戦場に出していけ、2ターン目からタフネス3のブロッカーとしても機能させられる、という2点を受けて、このクリーチャーを採用しました。


《成長のらせん》ともども、土地を伸ばすカードとしては一般的な《不屈の自然》系列とまったく異なるアプローチになっていますが、どちらも土地を1回出すだけに留まらない利便性があり、それらを活かせるポテンシャルがあるのがこのデッキの面白いところだ、と私は考えています。






○その他の解説



IMG_3436


メインボードでは白い呪文をさほど多く取っていないものの、サイドから入れたいカードに白が多いこと、4マナのターンで《残骸の漂着》を構えてみせることの意義などから、白マナの出る土地をかなり増量しています。




IMG_3437


サイドの《生体性軟泥》はビートダウンにめっぽう強く、ブロッカーからフィニッシャーまで好きな役割を演じてくれるでしょう。

逆に全除去が多く《轟音のクラリオン》でさっくり焼いてくるコントロール相手には出しづらいですが、マッチ2本目以降でそういったカードがサイドへ抜かれたと確信できるなら、ザカマあたりと入れ替える価値はあります。




IMG_3438


《秋の騎士》は、今後増えるであろうバーンやスライといった捨身でライフを攻めてくる赤系デッキを見ています。
絢爛コストで《稲妻》相当となる《批判家刺殺》が登場した他、《実験の狂乱》や《恐怖の劇場》などのエンチャントの脅威も健在であり、ショックランドの普及でそもそも初期ライフが18や16といったこともありうる、と完全にお膳立てができている状態。


IMG_3439

IMG_3441
IMG_3440

今後出会うことになるのは間違いないので、しっかり対策の枠を用意しておくべきだと思います。





○終わりに


このデッキはコントロール特有の「我慢」という要素が薄く、比較的ストレスフリーにプレイすることができます。
規模が大きくなったクロックパーミッションのようなもの、というのがイメージとしては一番近いでしょう。


ただし、こうした好き放題モードはあくまでも《荒野の再生》が置けている前提でのこと。
それが着地するまでは従来のコントロールと同じ、我慢のプレイです。ドローはたくさん入っていますから、頑張って探してください。




皆さんのラヴニカがより楽しいものになりますように。


それでは。