【EDHデッキ紹介】《アニマのメイエル》


お久しぶりです、迫真EDH部のヨグルティです。
前回は《黄金夜の刃、ギセラ》について解説したのですが、あれからいくつかの変遷を重ねて、私のEDHは装いを新しくすることとなりました。
次の統率者は、こちらです。



《アニマのメイエル》


○統率者の特徴

本体のスペックは3マナ2/3、色拘束を考えるとあまり良いとは言えない性能ですが、メイエルはアラーラ次元における一大勢力「ナヤ」のリーダーですから、そもそも自分で戦ったりはしません。
代わりに戦うのは、彼女に呼び出された配下のものたちです。(3)(赤)(緑)(白)にタップ、という重めのコストがかかるものの、デッキの上5枚の中からパワー5以上のクリーチャーが「インスタントタイミングで」「(唱えていないので)打ち消されることなく」唐突に降って湧いてくる、というのは脅威以外の何物でもないでしょう。

このいわば「ガチャ」とでも呼ぶべき能力をいかに強力に、いかに効率的に運用していくか、というのがこのデッキの最重要ポイントになります。





○デッキレシピ

統率者:
アニマのメイエル

クリーチャー:27
(パワー5以上:23)
希望の天使、アヴァシン
黄金夜の刃、ギセラ
鷺群れのシガルダ
エメリアの盾、イオナ
飢餓の声、ヴォリンクレックス
忍耐の元型
グルールの憤怒獣
白金の帝像
新たなるファイレクシアの魂
大いなる歪み、コジレック
背くもの
自由なる者ルーリク・サー
石蹄獣の酋長
歓楽の神、ゼナゴス
静穏の天使
テラストドン
森滅ぼしの最長老
太陽のタイタン
業火のタイタン
世界棘のワーム
荒廃鋼の巨像

(パワー5以下:4)
野生の心、セルヴァラ
帰還した探検者、セルヴァラ
種子生まれの詩神
ルーンの母

インスタント・ソーサリー:13
原初のうねり
悟りの教示者
俗世の教示者
エラダムリーの呼び声
奇妙な幕間
霊の通り路
英雄的介入
ボロスの魔除け
赤霊破
紅蓮破
発見の誘惑
ハルマゲドン
自然に帰れ

エンチャント:6
ドルイドの誓い
隠れ潜む捕食者
中心部の防衛
熱情
ヤヴィマヤの火
領事府の弾圧

(マナファクト:14)
魔力の墓所
太陽の指輪
セレズニアの印鑑
グルールの印鑑
ボロスの印鑑
衝動のタリスマン
団結のタリスマン
友なる石
冷鉄の心臓
統率者の宝球
スランの発電機
永遠溢れの杯

(マナ以外:4)
巻物棚
流転の護符
威圧の杖
世界薙ぎの剣

土地:35
統率の塔
風変わりな果樹園
大闘技場
オパールの宮殿
ジャングルの祭殿
plateau
寺院の庭
聖なる鋳造所
奔放の神殿
豊潤の神殿
凱旋の神殿
根縛りの岩山
陽花弁の木立ち
カープルーザンの森
戦場の鍛冶場
セレズニアのギルド門
グルールのギルド門
苔汁の橋
背骨岩の小山
邪神の寺院
発明博覧会
樹木茂る山麓
吹きさらしの荒野
進化する未開地
広漠なる変幻地
山×2
森×4
平地×4


現時点でもまだ完成形とは言えないので(特に土地基盤)、改良の余地があると思った上で読んでもらえれば幸いです。





○勝ち筋

このデッキが目指すゴールは次の3つです。



1.クリーチャーの質による押し潰し

もっとも分かりやすい基本プランです。
質の高いクリーチャー群をひたすら並べ、高打点で殴りきるだけ。
常軌を逸したサイズに加え、強力な特殊能力まで持ち合わせたクリーチャーがほとんどなので、3〜4体も並べば十分な制圧力を発揮できるでしょう。

ただし、メイエルのガチャで何が現れるかはプレイヤー自身にも予測がつきません。
状況によっては大して役にたたないカードがめくれてしまったり、そもそも何も出せないハズレの5枚を引いてしまうこともありますが、めげずに頑張りましょう。たぶん周りのみんなも同情して手加減してくれるはずです。しめしめ。



2.「破壊不能」と《世界薙ぎの剣》

このデッキには「あなたのクリーチャーorパーマネントは破壊不能を得る。」というテキストを持つカードがたくさん入っています。
これらを使って自分のカードを守る準備ができたら、《世界薙ぎの剣》の出番です。


これで自分を除くすべてのプレイヤーの場を壊滅させれば、もはや勝ったも同然。
コンボ成立のためのカードがそのまま敵の全体除去に対するメタカードとしても運用できるので、オススメのパッケージです。



3.《威圧の杖》と《野生の心、セルヴァラ》


いわゆる無限コンボです。
簡単に説明すると、

セルヴァラで6マナを出す(残り6マナ)
威圧の杖で3マナ使いセルヴァラをアンタップ(残り3)
威圧の杖自身を1マナでアンタップ(残り2)
1マナでセルヴァラを起動(残り1)、最初に戻る

同じ動きを繰り返すごとに1マナが余り続けるので、これで事実上の無限マナとなります。
無限マナを生み出したら、そのマナを威圧の杖に注ぎ込んで無限ドロー、すべてのクリーチャーを並べて《熱情》か《ヤヴィマヤの火》で速攻を付与し、総攻撃。
並べて殴るだけで本当に勝てるの?と思う方は、ぜひ私の採用しているクリーチャーを一通り確認してみてください。おおむね終わることがわかるはずです。

たった2枚のカード(+セルヴァラで参照するためのパワー6以上を持つクリーチャー)を揃えるだけで勝つので、達成はさほど難しくありません。
セルヴァラは「これはただのマナクリーチャーだよ」と言ってごまかせますが、杖はほとんどの場合コンボにしか使わない専用パーツなので、これを決めるなら杖はコンボ完成まで手札に隠しておきましょう。





○オススメカード紹介

ここからは、私のデッキの中からいくつかオススメのカードをピックアップして紹介していきたいと思います。

といっても、すべてのカードを買おうと思ったらけっこうなお金がかかるもの。
段階的にカードを揃えていくにしても、優先順位が知りたいところですよね。
そこで今回は、「EDH始めたての人向け」「それなりにお金を注ぎ込める人向け」「ベテランのエルダードラゴン向け」の3つの観点から、それぞれに適していそうなカードを取り上げることにします。



「EDH始めたての人向け」


《忍耐の元型》

メイエルデッキ構築のための第一歩は、お気に入りのデカブツを手に入れることです。
しかし、強くてデカいクリーチャーは【リアニメイト】や【スニークショー】、【ウルザトロン】など普通の構築デッキでも需要があるので、その唱えにくさにも関わらず実は意外と値が張ったりするもの。
なのでうまく価格との折り合いをつけつつ、しっかり制圧力のあるカードを選んでいく必要があります。

そんなあなたにまずオススメなのが、これ。
自軍全体に呪禁を付与するので、これ一枚で防御力が格段に跳ね上がります。
地味に相手の呪禁を封じているのも大きいですね。
だいたい100円もあれば買えます。

数少ない弱点として、これがエンチャントのカードタイプを持っていることが挙げられます。
「すべてのエンチャントを破壊する」という手合いの能力に巻き込まれてしまうので、自分で《自然に帰れ》などをプレイするときには注意しましょう。
またタフネスが5と、戦闘にはほんの少し不安が残るので、あまり果敢に突っ込ませないように。
総じて引きこもることで真価を発揮するタイプのカードです。



《大いなる歪み、コジレック》

メイエルの色指標は赤、緑、白。
青を持たないので、相手のプレイした致命的なカードに対し、打ち消しで応戦することができません。

しかし、その弱点を補強してくれるのがこのカード。
唱えたときにドローできる能力はメイエルの効果でデッキから直接戦場に出してしまうと使えませんが、好きな手札を捨ててカウンターに充てられるのはそれだけでとても魅力的。
しかも呪文ではなく能力による打ち消しなので、これをさらに打ち消すことは困難を極めます。

公開当初はスタンダードでの需要があるかのように思われていましたが、結局ほとんど活躍することなくあれよあれよと値段は没落。
今なら300円くらいで買えてしまいます。



《黄金夜の刃、ギセラ》

詳細は前回の私のEDH記事に譲りますが、これも非常にわかりやすいパワーカードです。
イニストラード次元の天使はどれも強力で、今回の私のデッキにもいくつか搭載されています。
統率者2015での再録があったので、これも200円くらいで買えるでしょう。



《自由なる者ルーリク・サー》

EDHでは初期ライフが40点もあるので火力のたぐいは軽視されがちですが、さすがにこれは危険な存在でしょう。
クリーチャー以外の呪文1つを唱えるだけで6点も飛ぶので、1人が呪文7枚を唱えるとそのプレイヤーは死ぬ計算になります。
マナファクトを置いたら6点、除去を撃ったら6点、カウンターをプレイしても6点。万が一ギセラと一緒に並んでしまったら……
クリーチャー以外のカードを勝ち筋にしているデッキにとっては、これ一枚で沈黙を余儀なくされるほどのメタカードです。 
ただし「バーンは自分にも飛ぶ」「各ターン必ず攻撃しなければならない」という些細なデメリットがあることは忘れずに。

もちろんお値段も安く、200円しない程度で買えます。



《原初のうねり》

一言で言うなら「スーパーガチャ」。
インスタント・ソーサリー以外のカードがめくれ続ける限り、それらすべてを戦場に出していく、というなんとも破天荒なカードです。
これのアタリ率を高めるために、私のデッキではインスタント・ソーサリーの数を限界まで減らしています。

適当にぶっ放すだけでゲームが終わるほどの展開を見せてくれることがあり、決まった時の快感はやみつきです。
あまりに雑なカードなので構築で使われることもなく、値段は200〜300円くらいを推移している様子。



「それなりにお金を注ぎ込める人向け」


《希望の天使、アヴァシン》

イニストラード天使の代表格であり、自分の場全体に破壊不能を与える、《世界薙ぎの剣》とのコンボ筆頭クリーチャーです。
飛行・警戒・破壊不能・8/8ともはや弱いところが一切なく、それだけにメイエルデッキを使う上でまず最初に警戒されるカードの一つだと言えます。

高めの価格帯に手を出すならまずはこれ、とオススメできる絶対的パワーカード。
お値段は1500円くらい。



《エメリアの盾、イオナ

指定した一色を完全に封じ込める、制圧系でも屈指の能力を持った天使です。
戦場に出る際に「青!」と言ってしまえば、もう相手は青い呪文を一切唱えられません。カウンターもバウンスも追加ターンも、すべては手札の肥やしというわけです。

これがメイエルデッキでもっとも恐ろしく輝く瞬間は、ガチャで出てきてしまったときでしょう。
普通に手札から唱えた場合、「イオナはやばい! 打ち消そう!」と着地すらさせてもらえないことがほとんどですが、ガチャから出てくる場合はそもそも何が出るのか誰にもわかっていないので、ガチャ能力自体を止められることはほとんどありません。
するとガチャでめくれたイオナは打ち消されるタイミングのないまま着地してしまい、着地に際して色が宣言されてしまうので、対戦相手からすると何もできないまま突然特定の色が使えない状態に陥るのです。

一切の抵抗を許さないというこの強みは他では代替がききません。ぜひ使ってみてほしい一枚です。
1000円もあれば買えるはず。



《飢餓の声、ヴォリンクレックス

ファイレクシアが誇る緑の法務官は、自分の土地を強化しつつ相手の土地を無慈悲に縛ります。

自分は倍のマナを出せるようになるので、メイエルのガチャ用のマナを残しつつ手札に引いてしまったクリーチャーを唱える、という本来なら15マナ20マナかかるような動きを現実的にしてくれます。
逆に相手は一度使った土地をしばらく放棄しなければなりませんから、展開速度に圧倒的な差をつけることが可能です。

自身の強化と全員への妨害を同時に行うということで、ヘイトを集める結果になりやすいカードですから、上で紹介したような手段で呪禁や破壊不能をつけるなどして頑張りましょう。
1000円で買えればラッキー、店によっては1600円くらいするところも。



《荒廃鋼の巨像》

感染、トランプル、パワー11。
「人が死ぬ」としか書いてありません。説明不要。
なんで破壊不能までついてるんですかね?

序盤でガチャから降臨してしまうと、それだけでプレイヤーが1人2人退場するハメになります。
特に気をつけるようなポイントもないので、雑に殴ってゲームを終わらせましょう。
さすがにこれだけフィニッシュ力が高いとなると、構築でもそれなりに使われるようで、お値段はかなり高めの2000円台。



《鷺群れのシガルダ

生け贄による除去から自軍を守る、という一見するとニッチな需要のためにあるようなカードですが、EDHではこの能力は実に大きな役割を果たします。

レガシーのカードプールを使うことのできるEDHでは、一口に除去と言っても様々な種類のものが採用されます。
その中でも特に強力なのが「追放」、そして「生け贄」です。
特に生け贄はクリーチャーに呪禁をつけても回避不可能なうえ、多くの場合「各対戦相手は」という文言がつくので、一度に大量の敵クリーチャーを処分できる手段として重宝されています。

メイエルのような「デカブツを毎ターン1体ずつ置いていく」デッキにとって、この生け贄除去は「いらないザコクリーチャーを身代わりにする」というメジャーな回避手段が取れず、常に主力級のカードを削られる恐ろしい除去。
特に黒がこれを多用してくるので、相手のデッキが黒いことを確認したら、可能な限り早くシガルダを呼び出すことを心がけましょう。
こちらは若干良心的な800円くらいの価格帯です。



●「ベテランのエルダードラゴン向け」


《巻物棚》

手札をデッキトップに仕込めるので、メイエルガチャの当たりを積み込むインチキができるようになります。
往年のプレイヤーならおなじみの「《渦巻く知識》でいらないカードをデッキトップへ戻してからフェッチランドでシャッフル」というようなプレイも擬似的に可能であり、地味ながら随所で役に立つ一枚です。
似たような挙動の《師範の占い独楽》では意味がなく、メイエルとのシナジーを考えると「これしかない!」というまさにピンポイントな性能ですね。

いぶし銀とでも言うべきカードですが、その落ち着いた見た目に反してお値段はなんと1200円くらい。
テンペストという古いエキスパンション出身だからか、コモンなのに妙に高いです。(この頃はエキスパンションシンボルがレアリティによる色分けを為されていない時代だったということで、これは私の勘違いでした。レアリティはコモンではなくレアだそうです、謹んで訂正いたします)
しかしメイエルデッキを作るなら、最終的には手を出さざるをえないカード。覚悟を決めましょう。


129722_jp

《種子生まれの詩神》

まごうことなき犯罪カードです。
これとメイエル、それに6マナ分の土地かマナファクトを用意するだけで、なんとすべてのプレイヤーのターンでガチャを起動することができるようになります。
4人対戦ならガチャ4倍速。無敵の課金兵のできあがりです。
 
お値段はだいたい1000円台前半。ガチャの当たりを揃えたら、次はこいつの出番です。


ztoka25851

《苔汁の橋》

メイエルデッキでは赤、緑、白の三種類の秘匿土地が使えますが、その中でもっとも利便性が高いのがこの《苔汁の橋》です。

パワー10以上という条件はこのデッキでは大したハードルではなく、ガチャを回しているだけで自然と揃っていきます。
そして一度それを満たしてしまえば、このカードは秘匿を解除するのに特別なタイミングを要求しないため、常に2マナでインスタントを構えているのと同じ状況が作れるのです。
アヴァシンや忍耐の元型を飛び出させて除去対策兼ブロッカーとするもよし、《紅蓮破》などを埋めてカウンターを握るのもよし。

赤の秘匿土地である《背骨岩の小山》も使い勝手は悪くありませんが、「対戦相手に7ダメージ以上が与えられたターン中」と発動がやや制限されるため、優先度としては次点です。
白の秘匿土地《風立ての高地》は、そもそもこのデッキのテンポ的に3体以上で攻撃するタイミングがかなり遅くなるため、 有効に使うのは難しいでしょう。

だいたい100円もしないで買えるカードですが、デッキ全体の完成度に比例して強くなるタイプのものなので、 買い揃えるのは後回しにしても問題ありません。
ある程度デッキが強くなってきたら、このカードのことも思い出してあげましょう。


8f12e7c0c0

《威圧の杖》

上でも述べたように、このカードはほぼコンボ専用です。持っていなくても存分にゲームを楽しめることと思います。
その上お値段は1500円以上、軽々に買っていいというものでもありません。

しかし《悟りの教示者》で擬似サーチできるという点、《太陽のタイタン》で釣り上げられる点、そうした置きやすさを踏まえた上でワンターンキルが可能になる利点を考慮すると、採用の余地は十分にあります。
メイエルでさらなる高みを目指したい、という人は買ってみてください。





○おわりに

いかがでしたでしょうか。

古今東西から呼び集めた強大なクリーチャーたちで対戦相手をねじ伏せていく、さながらマジックオールスターのような戦いを演出できるのが、統率者デッキ《アニマのメイエル》の面白いところです。
皆さんもぜひその片鱗に触れて、世界を支配したかのような快感を味わってみてください。



それでは。