遊戯王ドラフトについてのあれこれ3

こんにちは、火曜担当のヨグルティです。

今回は「ドラフトをする上で知っておきたい用語・ルール」について解説していきたいと思います。
大会ごとに細かい違いがあるかもしれませんが、根っこは同じ競技ですから、ルールの大枠はどこもだいたい一緒です。
何も知らないという方はぜひ、ちゃんとわかってるという方も確認に、目を通してもらえれば幸いです。



用語 

ピック
パックからカードを一枚選んで取ること。
基本的に、一度のピックでは一枚のカードしか得ることができません。また、一度カードを取って隣へ流してしまったら、前のパックに戻って選び直すということも不可能です。 
自分が今一番取らなければならないのはどれか、よく考えて動くようにしましょう。

カット
自分では使わないが人に取られたくないものを、あえて自分で取ってしまうこと。ヘイトピックとも。
主に自分の取りたいものが減ってきた終盤、 他人を邪魔する目的で行われることが多い行動です。
しかし単に他人の邪魔というだけでなく、自分のデッキにとって致命的な効果を持つカードをあらかじめ止めておく、という意味合いでも使われます。
例えば、ガジェットデッキを作りたい時の《王虎ワンフー》。苦痛ワンフーを決められると多くのデッキが苦しむことになりますが、攻撃力が軒並み1400以下のガジェットは苦痛なしですでに厳しいです。他によほど必要なパーツ、《マシンナーズ・フォートレス》などが一緒に入っていたりしない限り、このワンフーはカットしてしまう、つまり自分で取って誰にも使わせない選択をすべきでしょう。

シグナル
パックの中にあってそのドラフト内で集めやすそうなテーマを象徴するカードのこと。
詳しくは前回の『あれこれ2』の記事をご覧ください。

「ドラフト!」
カードの束を隣に回す時のかけ声。
ピックは好きなだけ時間をかけていいものではありませんし、逆に早く選んだからといってさっさと次の束を見ていいというものでもありません。
みんなが足並みを揃えてパックを回せるよう、全員のピックが終わったらこのかけ声とともにカードを隣の人へと渡します。
MtGの大規模大会などでは、一定時間ごとにアナウンスで”Draft.”と言ってくれるので、黙々とやりたい人も安心。アナウンスしてくれない大会では恥ずかしがらずにちゃんと言いましょう。



ルール

パックを回す方向
ドラフトでは机を囲んだ数人でパックを隣へと回していくことになりますが、その回す方向にも実はルールがあります。
基本的には「時計回り→反時計回り→時計回り」の順です。
これはカードを得る機会が全員になるべく均等に与えられるように、という配慮からなるルールで、仮にずっと同じ方向にしかパックが回らない場合、例えばあなたより前にカードを取っている人が爬虫類を集めていたなら、あなたには爬虫類のカードを取る機会がほとんど巡ってこないことになります。
もちろん完璧に棲み分けが出来ているのなら問題ありませんが、実際にはそうきれいに割り切れることはあまりないので、一つの救済措置としてこのようなルールが定められているのです。

ピック中の私語
当たり前のことですが、ピック中に特定のカードについて発言するようなことがあってはいけません。
万が一にも「うわ、カオスソルジャーだ」なんて言ってしまおうものなら、そこにカオスソルジャーがあることばかりか、自分より前の人間が誰もそれを取らなかったという大事な情報まで流出することになります。
ウソの情報を口にするなんてのはもってのほかですね。
ドラフトの醍醐味の一つは情報戦にありますが、情報戦とは盤外戦術のことではありません。己の洞察力と判断力をもって、真っ当に推理をすすめてほしいものです。

ピックしたカードの管理
多くのドラフトでは3回か、あるいはそれ以上の回数パックを開封することになります。
もしピック中に問題が発生してしまった(多く取ってしまったとか、あるいは取らずに流してしまったりという)場合、みんながみんな取ったカードをぜんぶ一纏めにしてしまっていると、復旧作業は困難を極めるでしょう。
取ったカードは「それが何周目だったか」で分けておくか、せめて「今ピックしている周の束と、それより前の周で取った束」の二つに分けておくと、もしもの時に便利です。

リミットレギュレーション(禁止制限)について
ドラフトでは基本的に「(与えられたカードと大会ごとのルールの範囲内であるなら)禁止制限や枚数制限を問わず、どんなデッキを組んでもよい」ということになっています。
たとえ《強欲な壺》を取っていようが、《封印されしエクゾディア》が5枚あろうが、それがドラフト中にピックしたカードなら、全部デッキに入れることが許されるのです。
特別な理由がない限り、取ったカードはすべて使えるのがドラフトですから、安心してカードを選びましょう。

メインとサイドの入れ替えについて
一般的に、ドラフトで作ったデッキのメインボードとサイドボード(メインで使わなかった余りのカード)は、デュエル中でない限り自由な入れ替え・足し引きが許されています。
例えば、デュエル中のサイドチェンジで「このカードをサイドから入れたいけど、メインから抜けるものはない」と思ったとき、何も抜かずにただメインを一枚増やすことは適正ですし、その増やしたカードを入れっぱなしにしたまま次のマッチに挑む事も、やはり適正です。
そもそもゲームの性質上デッキシートが要求されないので、そのへんはフレキシブルにいきましょう、ということです。
ただ、あらかじめ相手のデッキを偵察しておいてメタになりそうなカードを仕込む、みたいなことは、ゲームの興を削ぎかねないのでやめたほうが懸命です。フレキシブルさは、盤外戦術を推奨するものではありません。




次回は少し趣向を変えて、ドラフトプールを作る上で制作側が考えておきたいことについて、解説していこうと思います。
それでは。