ファーニマル戦略
みなさんこんにちは、ヨグルティです。
「フュージョンエンフォーサーズの余りあげますから、遊戯やりましょうよー」と言われて、まあくれるならもらおうかなーくらいの気持ちで復帰してみたら、なんかえらいことになってきてますね、ファーニマル。
おかげさまで融合180円とか、ファーニマルベア180円とか、昔に比べたら随分とアホくさい値段でパーツを買い集めるハメになりましたが、久しぶりのブンブンワンキルでmtgにはない気持ちよさを覚えているのも確かです。
そんなわけで、今回はしばらくぶりに遊戯王の記事を書こうと思います。
が、環境から離れていた期間があまりにも長かったため、私一人ではなんとも荷が重いですね。
そこで今回はゲストの方と一緒に語っていきます。
どうぞ〜!
まあ五郎さん、そう言わずに。
さて。
ファーニマルの基本的な回し方やワンキルルートなど、そういうことについては他にも数多く語られていることと思うので、ここでは割愛します。
というかこのデッキ、8000並べるだけなら雑に回しててもそのうち揃いますからね。
なので、今回はファーニマルのプレイや構築について、気になるところをぽつぽつと書いていこうと思います。
◯ プレイや構築に関するアレコレ
いきなり過激発言ですねえ……
まあシロウトというのはやや言い過ぎですが、滝山さんの言うように「とりあえず《ファーニマル・ドッグ》でサーチから」というムーブは、実は悪手である場合が多いです。
ドッグが強いのは皆さんご存知の通りで、サーチができる上に自身も融合素材になるため、立てて通ればその後が楽になる場面がほとんどなのは確かです。
しかし、他にも動ける選択肢があるのなら、極力そちらから使ったほうがいい、というのが私の考え方です。
これを解説するには、新カードや昨今の罠事情などを踏まえる必要があるでしょう。
ここからは、このドッグ召喚を切り口にして、ファーニマルに関するいろんな問題に首を突っ込んでいきます。
● 越えるべき罠について
① 神の通告
罠の代表格である神シリーズですが、ぶっちゃけ《神の宣告》《神の警告》に関しては気にする必要はありません。
彼らがファーニマルの動きに関与してこられるタイミングは「こちらが《融合》を発動したとき」くらいのもので、ファーニマルには融合を連打するためのギミックが大量に詰まっていますから、ここで打たれる神シリーズは大して痛くありません。
発動無効なので融合素材を失う事もなく、むしろ相手がライフを大量に払ってくれているぶん、バーン付きのサイクロンを撃ったくらいの感覚です。
一番効果がありうるのは、召喚だけでなくモンスター効果も無効にできるこの《神の通告》ですね。
しかし、これも融合スタートであればちょっとしたプレイングで踏み潰すことができます。
ファーニマルには融合素材として墓地へ送ったときに効果を発動できるモンスターがたくさんいます。
そうしたカードたちを使って《デストーイ・シザー・タイガー》を出すことで、素材にしたカードたちの効果をタイガーの破壊効果の上にチェーンすることができるようになります。
チェーン1シザータイガー、チェーン2ペンギン、というようにチェーンを組めば、相手はペンギンの効果にしかチェーンを組めなくなります。
つまり、上で述べた通告だとか、あるいは《大革命返し》のような、シザータイガーに直接チェーンする必要があるカードは、それができないままタイガーに破壊されるしかなくなってしまうのです。
このようにして神シリーズは踏み越えるわけですが、ここで先ほど述べたドッグについて振り返ってみましょう。
こちらがドッグを召喚した時点で、相手にはこちらのデッキがファーニマルだということが明らかになります。
ついでにこのマッチアップでは神シリーズが有効でないという情報も察せられてしまうでしょう。
このままドッグを通せば、ファーニマルにとっては盤面除去の弾が増えてしまうようなものであり、これ以降出番のない神はただ惨めに粉砕されるだけの的となってしまいます。
まあ、当然、ドッグ召喚を無効にしますよね。
融合からスタートできる手札なら、まず盤面をさらって安全確認をし、更地にドッグを召喚して後続確保、と動いたほうが妨害を受けにくいのです。
② 魔封じの芳香
魔法の発動を1ターン遅らせる、非常に面倒なカードです。
「ペンデュラムカードはスケールに裏側で置けない」というルールによって、以前はメタ次第での投入となっていたこのカードは、9期以降の環境に確固たる立ち位置を確立しました。
もちろんファーニマルにも効きます。死ぬほど効きます。
《融合》を伏せただけでターンを渡すなんて、ワンキルテーマがそんな悠長なことしていられませんよ!
五郎さんはもうちょっと焦ってください。
これをスタンバイにめくられたりするとめちゃくちゃ苦しいわけですが、実はなす術なしというわけでもありません。
注目していただきたいのは、普段忘れられがちな②の効果。
なんとこいつ、モンスターの起動効果で融合ができるんですね。
もちろん融合魔法は必要としないので、魔封じの制約に縛られることなく融合体を召喚することが可能になります。
魔封じを置かれているということでサーチ魔法などに頼ることはできず、素引きに期待するしかないのが残念ではあるものの、こういう方法でシザータイガーからの突破が狙えることはぜひ覚えておいてください。
またこういったシーンに限らず、ファーニマルはモンスターサーチに比べて融合サーチのほうが若干苦手な傾向にあるので、オウルのための召喚権を残しておくと思わぬ妨害に対して強くなります。
ドッグを召喚するか、オウルを召喚するか、状況とよく相談して決めるようにしましょう。
③ 次元障壁
障壁は無理です。
どれだけ融合を連打できようが、どんな伏せ除去を持っていようが、これを構えられたらそのターンはもうどうしようもありません。
一応、「ないよりはマシ」くらいの選択肢なら、ないこともないです。
ファーニマルはすべて天使で統一されているので、これを持っていれば罠1枚くらいならケアできる可能性があります。
とはいえ、これをプレイしてさらに融合を解決するとなると「紫光+ファーニマル2枚+エッジインプ+融合」という手札が必要になるため、あんまり現実的じゃないですね。
障壁に関しては、無理に打ち消したりエクシーズへ路線変更しようとしたりせず、「融合と1:1交換で済んだ」というふうに割り切って大人しくターンを返すべきかもしれません。
メインギミックに制圧バーツを持たないファーニマルで器用なことをしようとしても、ワンキルに必要なリソースがなくなってジリ貧のまま負けることの方が多いのです。
耐え難きを耐えることを選んだ場合、今度は相手ターンを凌がなければいけなくなりますから、こちらも障壁を構えるなり《増殖するG》を握るなりして、何とか1ターンごまかしましょう。
障壁への一番の回答は、非常に残念ながら、障壁です。
④ 封魔の呪印
五郎さんも思わず荒ぶるこのカード、普通はサイドにも入ってません。
万一撃たれたら、オウルと《魔玩具融合》以外にプレイできるカードはないと言っていいでしょう。
さっさと畳んで次へ行くのが板です。
● よくあるサブギミックについて
① 十二獣
フリーチェーンの除去を内蔵する《十二獣 ドランシア》を立てつつ、《十二獣 ブルホーン》の獣戦士サーチから様々な動きへと派生する、今や多くのデュエリストの相棒となった出張ギミックです。
ファーニマルでの採用だと《月光黒羊》サーチから間接的に融合へとアクセスできるので、本来の動きにもきちんと役割を持ってくれています。
先攻で一切やることのなかったファーニマルがいっぱしの先攻展開をできるようになり、後手でも《十二獣の会局》スタートなら障壁にエクシーズ宣言をさせることができるなど、なかなかに魅力的な要素が詰まっていますね。
弱点はデッキのスロットをモルモラット3と会局3で合計6枚、《SRーベイゴマックス》なども使うならさらに多くを埋めてしまうことであり、メインギミックがかなりの容量を要求するファーニマルではスペースの確保が難しいことです。
増Gや障壁のスロットまで奪ってしまいかねないので、うまくバランスを取ってください。
② 壊獣
こちらも現環境の立役者。
特に《妨げられた壊獣の眠り》は《ブラック・ホール》に3300打点のオマケつき、ファーニマル垂涎の逸品です。
ただしこちらも眠り3壊獣3種の合計6枚を要すること、加えて壊獣単体を引いたときにキルにあまり絡まないことがネックとなります。
手札事故のリスクがやや増えるものの、後手からの爆発力は絶大なので、環境次第ではこちらを選択する可能性も十分にあるでしょう。
③ 大天使クリスティア
すべての特殊召喚を封じ込める大型モンスターであり、特殊召喚モンスターによるボード攻撃が主流の昨今では、このカードを超えるのは一苦労です。
ファーニマルは天使族融合テーマなので、墓地に天使4枚という条件を早期に達成しやすく、また《トイポット》のガチャで出てくることも可能なため、このカードを出すこと自体はさほど難しくないでしょう。
難点はキルルートにほとんど関わらないばかりか、自分の展開も阻害してしまうことです。
先攻のときにこれを置ければ、最強の壁として次のターンを確約してくれますが、代わりに次のターンでのワンキルもほぼ不可能になってしまいます。
メインギミックとして積むよりは、サイドに置いておいて先攻を取らされるタイミングで入れ替えるのが良さそうです。
④ 魔界発現世行きデスガイド
《エッジインプ・シザー》をリクルートできることで、昔からファーニマルデッキの隅に見かけることが多かったカードです。
が、現在は《魔玩具補綴》の登場で召喚権を失うことなくサーチが可能になったので、立場が失われてしまったと言っても過言ではありません。
採用するなら3エクシーズにどれだけ価値を見出せるかですが、良さそうな展開と言えば《M.X-セイバー インヴォーカー》からモルモラットに繋げるくらいのものなので、そうなるとデッキの圧迫が激しくなるばかり。
先攻でプレイできるカードではあるものの、これを採用するには今後の研究が必要だと思われます。
いかがでしたでしょうか。
同じワンアクションから成り立つ強力な打点と除去の両刀、そして豊富なアドバンテージ回復力という明確な強みを持つ代わりに、防御力は皆無に等しい。
強みがはっきりしているテーマは、下手に万能な立ち回りを求めるより、一本の刃として切っ先をとがらせることに特化した方がよい、というふうに私は思っています。
とにかくブン回して、ブン回して、ブン回して……
五郎さんもご満悦の様子でなによりです。
ぜひみなさんもファーニマルで満足してみてください。
そして私が買ったファーニマルパーツが、いつかめちゃくちゃ高騰することを願っています。
それでは。