コンスピラシーへの誘い Part.2

皆さんこんにちは、ヨグルティです。



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さて、前回(コンスピラシーへの誘い Part.1)はコンスピラシーのもっとも興味深い謎、カードタイプ「策略」の片鱗に触れたところでしたね。

なんともまあ常識離れしたことが書かれていますが……このカード、どうやって使えばいいんでしょうか?



「策略」のルール

策略にはマナコストが存在しないので、通常の呪文のように唱えることはできません。というかそもそもメインデッキにすら入りません。
ではどこに用意すればいいのか。EDHをご存知の方ならおなじみの、通常の対戦では使うどころか名前すら挙がらないあの場所。そう、「統率者領域」です。
簡単に言うと、フィールドでも追放領域でもサイドボードでもないどこか。こういったイレギュラーなカードを扱うために作られた、いわゆる謎空間です。

統率者と異なるのは、ゲームが始まればいつでもその効果を適用できる、さながら最初から置いておけるエンチャントのように運用できるところ。古参の方には力線と言えばわかりやすいでしょうか。
 
ゲーム開始時にそれが表であるか裏であるか、いつ公開していつ効果が使えるのか、その辺りの詳しいことはカードごとにきちんと書かれているので、よく読み用法用量を守って正しくお使いください。

策略カードは1パックに必ず1枚入っています。もちろんドラフトではこの策略カードもピックの対象として選ぶことになります。
ただ、気をつけてほしいのは、策略はメインデッキの枚数には数えられない点です。取りすぎるとデッキに入れられるカードがなくなってしまうかも……




さて、策略の概要についてはおおむね理解してもらえたことと思います。

ここからは、私ヨグルティいち押しの策略カードたちを見ていきましょう。



《自然な団結》
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クリーチャーの名前を一つ、秘密裏に指定しておくタイプの策略ですね。
ゲームを始める前に決めておかなければならないので、使う機会を増やすためにも、同名のものがたくさん取れたクリーチャーを指定するのがいいでしょう。

効果は至って単純、対象のクリーチャーのサイズを一回り上げるというもの。
たった1とあなどるなかれ、多人数戦は基本的に睨み合いが多くなるゲームなので、この手の効果は対象をあっという間に対処が困難なサイズへと膨れ上がらせます。

効果の有用性に比してコストは緑1マナのみと安く、コモンなので複数枚取れることもしばしば。
緑を使っているならぜひピックしたい一枚ですね。




《雇われ夜盗》
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上のシリーズの青版、これは+1カウンターの代わりに1ドローをもたらしてくれます。
もちろん条件は若干厳しめになっており、指定したクリーチャーが相手のライフにダメージを通さなくてはなりません。

しかし青は飛行の色であり、地上戦が膠着しがちな多人数戦において飛行は普段以上に有用な存在です。
飛行をブロックできないというだけで集中攻撃にあい倒れていったプレイヤーを、これまでに何人見てきたことか……

そんな飛行にさらなる価値を与えてくれるこのカードは、あなたを戦場の支配者へと変えてくれるでしょう。
変わったところでは、接死持ちのクリーチャーを指定してみるのも面白いかもしれません。要するにブロックしづらいクリーチャーにこれを使わせればいいのです。




《召喚者の絆》
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リミテッドにおいて、レアリティに合っていない強すぎるアンコモンのことを俗に「神話アンコモン」などと言ったりすることがあります。
このコンスピラシー/王位争奪における神話アンコモンは、これだと言って間違いないでしょう。

二つのクリーチャー名を指定することで、片方のクリーチャーを唱えると、もう片方のクリーチャーをデッキからサーチすることが可能になります。
お互いがお互いを呼び合う関係になるので、もしクリーチャーAとクリーチャーBをそれぞれ2枚ずつデッキに入れていたなら、「Aを唱えてBサーチ、サーチしたBを唱えて今度はAサーチ、そのAを唱えてまたBサーチ」といった胡散臭さ極まる動きができるようになるのです。

こういった策略がパックのそこかしこに散りばめられているので、コンスピラシーでは同名のクリーチャーを何枚か固め取りする戦略が重要です。
普段は「戻ってくるだろう」と判断するようなカードでも、枚数をガメられそうなら思い切って優先度を上げてみることも必要かもしれません。




《君主の領域》
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……なにやらめちゃくちゃなことが書いてありますね。

要約すると、
●初期手札が7枚から5枚に減る。
●デッキのすべてのカードを5色土地として使うこともできる。
だいたいこんな感じです。

……デュエマかな???

この策略のいいところは、色の配分を考える必要がなくなり、カードパワーだけでピックを選べる点です。
とにかくそのパックで一番強いカードを取り続けていれば、それだけでデッキになります。強いレアが出たけど色が合わない、なんて悩みとは完全にオサラバ。気にするとしたらマナカーブくらいでしょうか。

悪いところは、基本土地を入れられないという点です。
ちょっと考えてみてください。今プレイしているのはドラフトです。手に入るカードは3パック分、合計で45枚。《君主の領域》をピックしている前提で、このカードはメインデッキには入れられませんから、残りは44枚。
リミテッドのデッキ枚数は、40枚。《君主の領域》を使うなら、この40枚に土地カードを数えることはできません。

……おわかりいただけたでしょうか。
弱いカードに対する許容量が極端に少ないのです。さらに他の策略もデッキに入れられないのでほとんど取れません。
君主は小細工に頼るな、パワーこそ力だ!ということなんでしょうか……

それでもこのカードを取れば、今までのマジック体験ではありえなかったことが経験できるのも確かです。
勇気を持って踏み出せば、統治者への道はすぐそこに拓けているかもしれませんよ。





この他にもいろんな策略があるので、マジック公式のギャラリーへアクセスするか、もしくは実際にパックを開けて自分の目で確かめてみましょう!

それでは。